今回は、家相に関することのうち、建築や動土についての決まりごとのようなものが幾つか有るのですが、その中で土を掘ったり、ガーデニングなどの注意点を、お話しましょう。
例えば、夏の暑い盛りになると今日は土用の入りとか、今年の土用丑の日は○月×日です。なんて話をニュース番組や天気予報の時間に耳にすることがありますよね。また、土用波とか土用干しなどという言葉も見たり聞いたりすることもあるはずです。
さて、この土用とは?「土旺用事」の事なんです。土用は元々は土旺用事(どおうようじ)と言ったものが省略されたものだそうですが。
現在、土用というと夏の暑い時期の土用だけを指すようになっているようですが、本来の「土用」は
1年に4回あります。
1回の土用の期間は18~19日。これが4回ありますから72~73日が土用の期間と
言うことになりますね。

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土用ってどんな意味があるんですか?
「土用」とは、節ごとに割り当てられた五行(木・火・土・金・水)の「土」の気にあたる季節の変わり目。「土」の気が高まっている期間をいいます。
10月20日からの、秋の土用は11月6日まで続きますが、この時期にやってはいけないNG行動があるということを皆さんはご存じですか?
土用はどうして生まれたのか?
土用が生まれた理由には五行説(ごぎょうせつ)という古代中国で生まれた思想が関係しているようです。五行説は大昔の科学仮説とでも言うもので、この世のあらゆるものは全てが木火土金水の五つの要素の組み合わせで成り立っている。
という考えです、五行説はただ物質だけの成り立ちを説明するだけでなく、色や味、星々、そして季節まで全てをこの五種類のもの、あるいは性質の組み合わせで説明されています。
ではどのように考えたかというと、次のような具合です。
春→木 、 夏→火 秋→金 、 冬→水 、?→土
ご覧の通りです。五行説は素朴な仮説ですから、四季と五行の気の関係もまた素朴な発想によって生まれています。
春は木(植物)が盛んに伸びる季節。夏は火のように暑い季節。秋は金属のように冷えてゆく季節。冬は水のように冷えきって停滞する季節。
といった具合です。ここまでは分かるとして困ったことがありました^^;。
それは季節は四季であって、五季ではありません。五行を割り振ろうとしても・・・・。一つ余ってしまいます。そしてその余ったものが「土」の気と言う訳なんです。
そこで五行説を信じる人々は、「土の性質は全ての季節に均等に存在するんだ!」と考えることにして、各季節の最後の18~19日を「土用」としました(これで1年の日数が均等に五行に割り振られたことになります)。
今は土用というと夏だけのように思いがちですがですが本来は全ての季節に土用があります。
土用の期間はどのようにして決められるか
現在、土用の期間は
「太陽の視黄経が27,117,207,297度となる日を土用の入りとする」と言うように定義しております。ちなみに土用は季節の最後に割り振られるので「土用の明け」は次の季節の始まる日(立春、立夏、立秋、立冬)の前日になりますね。
季節と土用一年の季節と土用の関係を表したものが右の図です。季節と季節の間に土用の期間があるのがご理解頂けますか?
それぞれの季節、土用の期間の間にはその区切りとなる太陽視黄経と、毎年その状態となる大体の日付を書き加えてあります
(※注意 日付は年によって1日程度前後することがあります)。
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季節の交替と土用の役割
季節と季節の間に置かれた土用の意味について、五行説では「土用」には季節の交代を円滑に進めるという意味があると考えています。
それは土には、死んだものを「土に還す」性質と「命を育成する」二つの性質が兼ね備えられており異なる季節の間に「土用」を置くことで、消滅する古い季節と、まだ充分に成長していない新しい季節の性質が静かに交代して行くと考えたのです。
そこで土用と迷信について土用のNG行為!
土用の期間は「土の気」が強く働く期間です。この土気の化身として「土公神(どくじん)」という神が考え出されました。

土用の期間はこの土公神(どくじん)が支配する期間なので、土をいじること、掘り返すこと、井戸掘りすること、竈(かまど)の修造、基礎工事、柱立てなどは土公神を害することとなって禍をうけると考えるようになりました。
よってこの時期にそうした行為を行うことがタブーとなりました。建築、下水道工事、農業などに従事する方々の間では現在でもこのタブーは生きていているようで、時折そうした質問を受けることがあります。
一旦生まれたタブーはなかなか消えることが無いものらしいようですね。
土用と間日の関係とその理由
さて、土用と迷信で土用の期間のタブーを紹介しましたが、土用は各季節ごとに18~19日も続きます。いくら土公神様を憚(はばか)っていても一年のうちの1/5の期間工事も何も出来ないという事では、はそうした仕事をする人達にはたまったものではありませんね。
そこで、考え出されたのが土用の間日(まび)というものです。何でもこの土用の期間、そのタブーで難儀している人々を見かねて文殊菩薩様が土用の期間のうちの数日、土公神一族を天上の清涼山に集めて下さるようになったため、この数日間は地上に土公神様がいらっしゃらなくなるので土を動かしても祟りを受けないというのです。
この数日間を「土用の間日」と呼びます。土用の間日は、その時期と日の十二支でいつになるかが決まることになっていまその関係をまとめてみました。
土用の間日の規則
冬の土用 入り 1月17日 明け 2月03日 | 春の土用 入り 4月17日 明け 5月04日 | 夏の土用 入り 7月19日 明け 8月06日 | 秋の土用 入り 10月20 明け 11月06 |
間日 酉 卯 巳 | 間日 巳 午 酉 | 間日 卯 辰 申 | 間日 未 酉 亥 |
01/18 (巳) | 04/24 (巳) | 07/20 (申) | 10/23 (未) |
01/27 (寅 | 04/25 (午) | 07/27 (卯) | 10/25 (酉) |
01/28 (卯) | 04/28 (酉) | 07/28 (辰) | 10/27 (亥) |
01/30 (巳) | 08/01 (申) | 11/04 (未) | |
11/06 (酉) | |||
(丑の日) 01/26 | (丑の日) 04/20 05/02 | (丑の日) 07/25 08/06 | (丑の日) 10/29 |
さすが、文殊菩薩様の智慧ですね!こうして、土用の期間でも工事関係者等が
作業出来る日が出来たという訳です。^^;有り難うございます。
(実際の間日がいつになるかの計算には 土用と土用の間日、丑の日の計算 をお使い下さい。)
最後まで読んで頂き有り難うございますもし宜しければコメント欄に感想などを頂ければ
幸いです!
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